Formlabs大型SLAによるスケールアップ事例
1台で3台分の活躍:Additium3DはどのようにForm 4Lで生産能力を拡大したか
スペインのアディティブ・マニュファクチャリング・サービスプロバイダーAdditium3Dは、1台のForm 4Lで3台の低価格レジンプリンターを置き換え、生産能力を向上させると同時に、プリント失敗率、手作業の手間、職場環境における安全リスクを削減しました。
Additium3Dは企業向けにエンド・ツー・エンドのデジタル製造サービスを提供しており、事業領域はコンサルティング、3D設計、3Dスキャニングをはじめ、熱溶解積層方式(FDM)、光造形(SLA)、選択的レーザー焼結(SLS)などの3Dプリンティング技術まで網羅しています。
低価格なレジンプリンティング設備は、かつてAdditium3Dの生産能力拡大や重要顧客の獲得に貢献しましたが、造形失敗、粉塵、レジンへの接触、そして膨大な手作業が次第に生産現場の負担となっていました。
3台の低価格レジンプリンターから1台のForm 4Lへ移行
レジンプリンティング技術によりAdditium3Dは重要顧客を獲得しましたが、約30%に達するプリント失敗率がレジンの無駄、再プリントの時間、追加の人件費を発生させ、さらにレジン露出の問題が作業スタッフの負担となっていました。
2025年、Additium3Dは既存のPhrozen Megaプリンター3台を1台のForm 4Lに置き換えました。Form 4Lの初期設備投資額は比較的高価であるものの、実際の生産量、信頼性、後処理の効率、省人化効果により、全体的な生産コストにおいては極めて高い競合力を発揮しています。
「Form 4Lの生産効率と信頼性を考慮すると、わずか1台のForm 4Lを導入するだけで、以前のPhrozen Mega 3台分と同等の生産量を達成できました。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
低価格レジンプリンターに潜む隠れたコスト
アディティブ・マニュファクチャリング・サービスプロバイダーとして、Additium3Dはパーツの機械的特性、意匠性、納期、コスト、生産量に応じて最適な製造工法を選択しています。
コスト重視の案件、フルカラー直接プリント、または大型プロトタイピングのニーズに最適。
高い生産性、高い機械的強度、等方的な物性が求められる用途に最適。
高精細な表面、滑らかな質感、塗装仕上げ、または特殊なエンジニアリング素材を要するパーツに最適。
Additium3Dは当初、3台の低価格レジンプリンターでSLAサービスを提供していましたが、機器の信頼性の低さ、プリント失敗、頻繁なレジン処理の手間により、実際のコストは想定を上回っていました。
作業時間、材料の廃棄損失、再プリント、後処理工数を総合的に試算した結果、1台のForm 4Lを導入した方が、より少ない手間で格段に高い生産量を達成できることが判明しました。
「お客様が最高の表面ディテールと極めて滑らかな仕上げを最優先される場合、レジンプリンティング、特にForm 4Lが私たちの第一選択肢となります。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
作業環境の安全性と生産環境の改善
2024年10月の深刻な水害被災以降、職場の安全衛生はAdditium3Dの経営陣にとって最優先の考慮事項となりました。同社は単なる利益追求よりも、スタッフの健康と安全を最優先にする方針を決定しました。
Additium3Dによると、従来の低価格レジンのワークフローでは環境面および直接接触に関する重大な懸念があり、過去にはレジンとの接触によりスタッフが眼瞼の炎症を起こし、医療処置を必要とした事例も発生していました。
Formlabsによると、同社のレジン開発プロセスではアクリロイルモルホリン(ACMO)を使用していません。レジンカートリッジ、レジンタンク、自動レジン供給システム、インテリジェントセンサーはすべて、直接接触を減らしワークフローを簡略化する設計となっています。
「生産施設の清潔度、そして健康・安全環境が飛躍的に改善されました。さらに、お客様もForm 4Lの造形品質を高く評価しており、より高品質なパーツに対して適正な対価を支払っていただけるようになりました。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
交替制勤務に最適化されたプリントスピード
Additium3Dは以前、3台のPhrozen Mega 8Kを使用して総造形エリアを確保し、生産ニーズに応えていました。しかし、実際の造形時間はソフトウェアの予測と一致しないことが多く、時には1日2交代の生産計画を完遂できず、実質的な生産能力が最大50%低下することもありました。
Form 4Lの1台あたりの造形サイズはPhrozen Megaと同等ですが、その卓越した造形速度と高い信頼性により、Additium3Dは1台の装置で従来3台分を上回る実質生産量を叩き出すことに成功しました。
Form 4Lのプリントリズムは日常の作業シフトとスムーズに噛み合い、1日に最大3回の完全なプリントジョブを完了できます。Additium3Dは平均して毎稼働日に2つの大型パーツを製作できるほか、中型の高級装飾品、フィギュア、機能性プロトタイプ、最終用途パーツの生産にも対応しています。
「決定的な違いは、Form 4Lの生産効率、信頼性、そして総合的なパフォーマンスにあります。プリントスピードが日々の作業シフトと完全にマッチしており、1日に最大3つのジョブを完遂可能です。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
高い信頼性と一貫した品質が実質コストを削減
プリントの失敗は単にレジンを無駄にするだけでなく、再プリント、機器の洗浄、スケジュールの再調整、そして手作業の時間を増加させます。機器のスペック上の速度がどれだけ速くても、パーツの再製作が発生した時点で、実際の納品期間は倍増してしまいます。
Additium3Dによると、従来の機器ではプラットフォームからの剥がれ、ファームウェアエラー、出力結果の不調調などが原因で不具合発生率が30%を超えていました。低価格レジンの単価はFormlabs製レジンの約半分ですが、失敗による材料損出と時間のロスを考慮すると、完成品パーツ1個あたりの実質コストはほぼ同等となっていました。
| 比較項目 | 低価格レジンプリンター | Form 4L |
|---|---|---|
| 機器構成 | Phrozen Mega 3台 | Form 4L 1台 |
| プリント失敗・不具合率 | 30%以上 | 1%未満 |
| 装置の運用・管理 | 複数台を個別管理する必要あり | 単一の大型プラットフォームで一括集中管理 |
| 後処理 | 表面欠陥やサポート除去の手間が多い | サポート痕が少なく、プロセスが極めてシンプル |
| 実質コスト | 材料単価は安いが、再プリントと手作業が増加 | 初期投資は高いが、有効生産量と信頼性に優れる |
量産においては、すべてのバッチで均一な品質を維持することが強く求められます。ピンホール、レジンのクラック、積層ズレ、反り、層間剥離といった表面欠陥は、特に塗装処理を施した後に顕著に現れてしまいます。
Additium3Dのデータによると、Form 4Lで造形したパーツの不具合・トラブル率は1%未満を誇ります。この結果は、第三者機関によるテストでForm 4が達成した98.7%のプリント成功率とも一致しています。
PreFormがプリント準備と見積もりプロセスを簡略化
生産ワークフローにおけるすべてのステップが、受託製造業者の作業効率に影響を与えます。Formlabsのプリント準備ソフトウェア「PreForm」は、パーツの配置方向、ネスティング、サポート生成を自動で最適化します。
Additium3Dは、一般的なスライサーソフトウェアでは重要なサポート位置が見落とされたり、外観や後処理に悪影響を及ぼす場所にサポートが生成されたりすることがある点に着目していました。
- パーツの自動配置とモデル同士の干渉検知機能。
- よりコンパクトで軽量、かつ除去しやすいサポート構造を生成。
- 同一ビルドプラットフォーム内により多くのパーツを無駄なく配置。
- 正確なプリント時間と材料消費量の試算を提供。
- 迅速な見積もり作成と生産スケジューリングを強固にサポート。
「PreFormの設計はシンプルかつスマートで、サポート構造をよりコンパクトで軽く、取り外しやすくしてくれます。以前のソリューションと比較して、同じプラットフォーム上に2倍のパーツを配置できるようになりました。」
Carlos Navarro(Additium3D CTO)
多様で高性能なFormlabsエンジニアリングレジン
「大型プロトタイピングを手掛け、さまざまな高性能材料を試したいと考えているチームにとって、Formlabsのテクニカルレジンは同価格帯の装置では類を見ない幅広いアプリケーションの可能性を提供してくれます。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
本物さながらの意匠展示プロトタイプや、後の塗装・表面処理を前提としたパーツに最適。
ガラスや透明プラスチックを再現するビジュアルモデルや機能性パーツに最適。
柔軟で透明度の高い弾性材料。高柔軟性が求められるテストパーツに最適。
Additium3Dは当初、受注の多かった展示用モデル、透明パーツ、塗装前提のプロトタイプに適した汎用材料であるClear Resin V5とWhite Resin V5をメインに使用していました。
その後、同社は顧客と協力してElastic 50A Resinの導入も果たしました。ショア硬度50Aを有するこの高透明エラストマーは、高度な柔軟性が求められる検証用パーツに活用されています。
さらに、ポリエチレンに近い機械的特性を持つ耐久性レジンは、スクイーズ可能なプロトタイプ、低摩耗パーツ、大きな衝撃を受ける治具や工具の製作に威力を発揮しています。
Form 4Lによるアディティブ・マニュファクチャリングサービスの拡張
「小ロット生産であれ、ハイエンドな機能性プロトタイプであれ、Form 4Lは極めて強力かつ多目的なツールです。コンセプトからわずか数時間で実物パーツを作成し、複雑な形状を検証した上で、単品から中規模ロットまでを効率的に生産できます。」
Guillermo Navarro(Additium3D ディレクター)
次のステージ:SLA、SLS、およびバイオメディカル材料サービスの拡充
プロジェクト受託数の増加に伴い、Additium3Dはナイロンパーツの製造能力を強化するため、Fuse SLSプリンターおよび後処理エコシステムの設置をはじめとする全般的な3Dプリンティングソリューションの拡充を進めています。
また、同社チームは生体適合性レジンをサービスラインナップに加えるべくForm 4Bの導入を検討しているほか、大型SLAの生産キャパシティをさらに引き上げるため、2台目となるForm 4Lの追加購入も視野に入れています。
FDM、SLA、SLS、そして多様なエンジニアリング材料を組み合わせることで、Additium3Dはパーツの性能、外観、数量、納期、ご予算に応じた、より包括的なデジタルファブリケーションソリューションを提供し続けていきます。