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【3Dプリント】MakeGood、低コストな3Dプリント製子ども向けモビリティチェアを発表

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【3Dプリント】MakeGood、低コストの3Dプリント製子ども用モビリティチェアを発表
設計データをMakerWorldで無料公開

Formnextで当社ブースをご覧になった方であれば、特別に設けられたスペースをご記憶かもしれません。そこでは特別ゲストとして、非営利団体MakeGoodのチームをお迎えしました。米国ルイジアナ州ニューオーリンズに本部を置くこの団体は、身体に障がいのある方々のための革新的なプロジェクトに取り組んでいます。


Formnextでは、MakeGoodが「3Dプリント製幼児用モビリティトレーナー(Toddler Mobility Trainer:TMT)」を正式に発表しました。この低コストかつオープンソースの移動支援機器は、歩行が困難な幼児の自立性、身体協調性、そして社会性の向上を目的として開発されています。現在、この優れたプロジェクトはMakerWorldで公開されており、誰でも無料で設計データをダウンロードし、家庭用3Dプリンターで製作できます。

これは移動支援用の車いすですが、高価な設備は必要ありません。Bambu Lab P2Sが1台あれば十分です。プロジェクト全体がこの3Dプリンター向けに最適化されています。

| メイカーによる革新:カラフルな子ども用モビリティ支援機器


TMTは完全なオープンソースとして公開されています。MakeGoodは、モデルデータ、組立マニュアル、教育用資料を、公式サイトwww.3dmobility.org)およびMakerWorldにて無料公開しています。

PETGとTPUに対応した3Dプリンターさえあれば、1歳から8歳までの子ども向けに、実用的な移動支援機器を誰でも製作できます。専門的な補助機器が手に入りにくく、市販品が多くの家庭には高価すぎる現状において、このプロジェクトは単なる技術的な挑戦ではなく、社会を変えるための実践的な取り組みとなっています。


この装置は、総製作コスト約150米ドルで完成し、そのほとんどの部品が3Dプリントによって製造されています。

組み立てに必要な材料は以下のとおりです。
・PETGフィラメント 約10巻(最低8巻、多色プリントを行う場合はさらに必要)
・TPUフィラメント 2~3巻(プリント設定やクッションを印刷するかどうかによって異なります)
・少量のハードウェア部品:ボルト6本、ナット2個、ワッシャー2枚、前輪キャスター2個、後輪キャスター1個

1台の3Dプリンターですべての部品を印刷する場合、約1週間かかりますが、複数台のプリンターを使用すれば製作期間を大幅に短縮できます。

しかし、TMTの価値は成功したオープンソースプロジェクトという点だけではありません。メイカームーブメント(Maker Movement)の持つ可能性と成長を象徴する存在でもあります。この装置は鮮やかなデザインとカラフルな外観を備え、低い座面設計によって、子どもが周囲の友達と自然に目線を合わせられるよう工夫されています。

脳性まひ、二分脊椎、あるいは早産によるNICU(新生児集中治療室)入院後の発達遅延などを抱える子どもたちのために設計されており、多くの幼い利用者にとって、このモビリティトレーナーは自立への第一歩であり、時には歩行を習得するための重要なステップとなります。

その意義はFormnextでも実証されました。ドイツのある家族が、歩行障がいを持つ息子Keo君を連れて来場し、TMTを必要としていました。そして最終的に1台のモビリティチェアを持ち帰ることができました。この感動的な出来事の実現には、Bambu Labの支援が大きく貢献しました。


| Redditへの投稿から生まれた優れた3Dプリントイノベーション

MakeGoodは、認定医療建築士であり、障がいを持つ人々のための新しい技術開発の専門家でもあるノアム・プラット(Noam Platt)氏によって設立・運営されています。


チームメンバーには、シニアデザインディレクターのフィリップ・ダナム(Philip Dunham)氏(1999年のマウンテンバイク事故により頸髄C5レベルの四肢麻痺となる以前から、高度なコンピュテーショナルデザインを専門としていました)、シニアマニュファクチャリングディレクターのジェームズ・ロバート3世(James Robert III)氏(先天性四肢形成不全を持ち、カスタム医療機器分野のイノベーター)、さらにアシュリー・ヴォリオン博士(Dr. Ashley Volion)、セルジオ・クエバス博士(Dr. Sergio Cuevas)、シアナ・パディ(Sianna Paddie)、スコット・レッドック(Scott Reddoch)、マーティ・マクマホン(Marty McMahon)、ブレット・スウェンセン(Brett Swensen)らも参加しています。

また、LINK PBCの共同創業者であり、経験豊富なインダストリアルデザイナーでもあるシュイラー・リビングストン(Schuyler Livingston)氏も、このプロジェクトの重要な貢献者の一人です。

この「3Dプリント製幼児用モビリティトレーナー」プロジェクトの始まりは、Redditへの一つの投稿でした。その投稿からほぼちょうど1年後、このモビリティ支援機器はMakerWorldで正式公開されました。

金融業界での経歴を持ちながら長年デザインに携わってきたフィリップ・ダナム氏がその後チームに加わり、さらに支援を必要とする人々とメイカーを結び付ける団体「TOM Global」のハンナ(Hannah)氏とアンバー(Amber)氏もプロジェクトに参加しました。

プロジェクト開始当初から、チーム全員が共通の目標を掲げていました。それは、「誰でも入手しやすく、低価格で製作でき、組み立ても簡単で、できる限り失敗しにくい機器を作ること」です。小規模な試作から始まったこの取り組みは、やがて本格的な設計・エンジニアリングプロジェクトへと発展し、数百もの工程や分析結果がMiroボード上に整理され、製品進化のロードマップとして活用されました。

その中でも重要なテーマの一つは、機能性を損なうことなく、どこまで多くの部品を3Dプリントで製作できるかという点でした。

当初はホイールやストラップなど一部の部品は市販品を使用する予定でしたが、何世代にもわたる試作と検証を経て、3Dプリントの可能性は想像以上に広いことが判明しました。最終的には、フレームからシート、ストラップに至るまで、ほぼすべての部品をPETGとTPUで造形できるようになり、別途購入が必要なのはボルトやキャスターなどの小型金属部品のみとなりました。

チームは新しいバージョンが完成するたびに厳格なテストを実施し、耐久性、造形性、組み立てやすさについて細部まで改善を重ねました。また、試作機を6つの家庭に提供し、数か月間にわたって寄せられたフィードバックを反映することで、製品の完成度をさらに高めていきました。




プロジェクトを進める中で、チームは最大の課題が技術そのものではなく、本当に支援を必要としている人々へ届けることだと気付きました。

支援技術の分野では長年、「アクセシビリティ・ギャップ」が存在しています。支援したいと考えるメイカーはいても、支援を必要とする人々を知らない。一方で、支援機器を必要とする障がい者はいても、地域のメイカーから支援を受けられることを知らないのです。

資金援助も重要でしたが、その役割は当初の予想以上でした。プリンターやフィラメント、試作品の製作費用の多くは、Bambu LabやCookieCADなどの企業によって支えられました。


| メイカーがアクセシビリティの壁を越える


このプロジェクト第一段階の集大成となったのは、2025年のFormnextでのお披露目です。Bambu Labの支援のもと、MakeGoodは完成したモビリティ支援機器を世界中の来場者へ公開し、大きな注目を集めるとともに、コミュニティ主導による新たなプロジェクトの誕生につながりました。

展示会を訪れた多くのメイカーは同様のソリューションを制作したいと申し出、世界各地の家庭からも、子どものためにこのモビリティトレーナーを利用したいという申し込みが寄せられ始めました。

「私たちは誰もが、遅かれ早かれ身体の自由を失う可能性があります。」とノアム・プラット氏は語ります。

「私にとって、障がいのある人とない人の間に本質的な違いはありません。私たちは皆同じ人間であり、補助技術を必要とする時期が異なるだけです。人生のどこかで、誰もがこのような支援機器を必要とする可能性があります。だから私は、誰もが優れた設計と高品質な補助技術を利用できる世界で暮らしたいと思っています。そうすれば、将来自分自身が身体の自由を失ったとしても、好きなことを続けられるからです。」

だからこそ、高品質で使いやすい補助機器は、すべての人が利用できるものであるべきです。商業市場だけではこの課題を解決することはできません。しかし、人にはそれができます。デザイナー、エンジニア、建築家、そしてメイカーが、それぞれの時間と技術を提供することで、よりインクルーシブな社会を築くことができるのです。

「この課題を誰かが代わりに解決してくれることはありません。」とプラット氏は続けます。

「商業市場だけでは、こうしたニーズに応えることはできません。人類の歴史上初めて、設計ツールと製造技術がここまで身近になり、誰でも30分ほどで誰かのための製品を設計し、本当に人生を変えるような支援機器を作ることができる時代になりました。私はそれを何度も実践してきました。私たち全員、特にデザイナー、建築家、エンジニアには、あらゆる設計の中にインクルーシブな考え方を取り入れる責任があります。誰もが使いやすい製品やシステム、建築物を設計することは、すべての人にとってより良い未来を築くことにつながるのです。」

MakeGoodによるこのプロジェクトと、MakerWorldでのオープンソース公開は、それが十分実現可能であることを証明しています。

それは、テクノロジーが大量生産のためだけではなく、人と人をつなぎ協力を促すツールとなったとき、最もシンプルで直接的な方法で人々の人生を変えられることを示しています。

掲載写真はすべてMakeGood提供。無断転載を禁じます。

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